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クル病への対処
飼育下のヤモリはエサの栄養バランスが偏っているために、クル病になってしまうことが多いです。
クル病はカルシウム、ビタミンB、ビタミンDが不足することによって身体の骨が溶け出す怖ろしい病気です。
これらの栄養バランスに気をつけて病気を予防すると共に、もしクル病の兆候があれば、なるべく早く発見し、対処してあげることで治りが早くなります。
クル病の兆候
①プラスチックなどの壁に登れなくなる。
つるつるの壁に張り付く力(ファンデルワールス力)が弱まります。
②脱皮不全
脱皮がうまくいかず、ひどいときには丸一日かかっても皮が取れません。
指先や総排泄口に皮が残ると危険なので飼い主が脱皮を手伝ってあげる必要があります。
30℃くらいのぬるま湯で湿らせたテッシュでくるんであげて皮を浮かせてピンセットで注意深く残った皮を取り除きます。
③エサを食べない
数日エサを食べないくらいでは平気ですが、数週間にわたり食べない場合は注意です。
特に抱卵しているメスがエサを食べない、タマゴを産んだあとも食欲が戻らない場合は気をつけなくてはなりません。
④尻尾がガクガク曲がる
⑤顎が外れて口が閉じない
④⑤のような症状が出ると重症です。
①②の段階で気づいてあげて対処してあげるのが一番ですが、重症でも諦めず、根気よく対処してあげることによって
回復は望めます。
クル病の治療
まず不足している栄養素を与えてあげることです。
クル病は「カルシウム不足」が原因でおこる病気だと思われがちですが、実際はカルシウムとビタミンB、Dの
バランスが崩れることによって起こります。
「ちゃんとカルシウム剤を与えていたのにクル病になった!」というケースもあります。
カルシウムを体内に貯めていても、ビタミンが不足すると貯めたカルシウムをうまく使うことができず、クル病になってしまうのです。
不足している栄養を強制給餌で摂らせることによって症状は改善します。
固形のエサを無理やり与えるより、液体に近い流動食を作って舐めさせる方法がオススメです。
無理やりヤモリの顎をこじあける必要がないのでヤモリにストレスがかかりません。
レオパードゲッコーフードやグラブパイなど、肉食ヤモリ用の粉末のエサを無糖ヨーグルトで溶かし、スポイトなどでヤモリの口元につけると、舌を出して舐めとります。
ヤモリに与える際、鼻に流動食が入らないように注意してください。
我が家のヤモリ、オーちゃんが
重度のクル病から回復するまでの記録をブログに書いています。
参考になれば嬉しいです。
脱皮不全や軽度のクル病の時の記録も載せています。


レオパードゲッコーフードを
同量の無糖ヨーグルトで溶いたもの

レオパードゲッコーフード入りヨーグルトを給餌されているヤモリ。
口の端にスポイトで流動食をつけると舌を出して舐めとります。
与える量と頻度は栄養不足がどの程度かにもよりますが、後ろ足の骨が浮いているなど、痩せていて深刻な場合には1日2~3回、3~5滴程度が目安です。
消化のことも考えて給餌の間隔は7時間程度あけましょう。
給餌は20℃程度の暖かい室内で行います。
予防のために
①餌にサプリメントを添加する。
餌となるコオロギやローチにカルシウム剤をまぶしてからヤモリに与えます。カルシウム単体だけ与えていても吸収ができないので、週に1~2回はビタミンBやビタミンDも与えるようにします。ビタミン剤は摂らせすぎてもよくないので、加減に注意が必要です。
レプチゾルの与え方としては、ヨーグルトに混ぜてスポイトで与えたり、霧吹きの水に混ぜたりします。
➁たまに紫外線に当てる。
ニホンヤモリは夜行性なので、他のトカゲ類ほど日光を必要としないのですが、ビタミンD生成のために少量の紫外線が必要です。レースカーテン越しに日光を当ててあげたり、紫外線タイトに当ててあげたりしましょう。日光浴中は飼育ケース内の温度が上がりすぎないように注意しましょう。
ニホンヤモリにはUVBよりUVAが必要だという情報があります。ライトをつける場合はUVAの出るものを選びましょう。飼育ケースに近づけすぎると熱でプラスチックが溶ける場合があるので気を付けましょう。
③抱卵中、産卵前後、脱皮前後の絶食に気を付ける。
産卵や脱皮は一度に大量のカルシウムを消費します。今まで元気にしていたヤモリが産卵や脱皮のあと、いきなり弱ってしまうということがあります。産卵前や脱皮前など、ヤモリは食欲がないことが普通なので、食べないからといってあまり心配することはありませんが、後ろ足が痩せてきてスジが浮いて見える・・・などという場合、注意が必要です。
メスは抱卵している間は痩せているか太っているか分かりづらいので、我が家では足が痩せてきている場合、様子を見ながらレオパードゲッコーフード入りヨーグルトを給餌しています。



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